こんにちは! (有)美ナチュラル、ミロビーナの木川です。
今日は、アロマティックライフ魔法の石鹸という店舗名から始まり、美ナチュラルという会社が、ミロビーナという今のブランド(店舗名)を立ち上げるまでのお話をしてみようかなということで、その誕生に至ったまでのお話。
前回までのお話はこちらからどうぞ。
始まりは、アロマティックライフ魔法の石鹸
美ナチュラルになるまで
美ナチュラル ミロビーナ誕生前夜-1
前回は、疲弊する美ナチュラルの病気の元を断ち切るべく、副社長が大ナタを振るうことを決断したというところまでお話ししました。
当時、お店の新製品から販売方法、セール内容はすべて私一人が店長兼社長権限で決めていました。
それを見て、副社長がざっくりとではありましたが、利益計算をしていたことを、私は知りませんでした。何故ならいつも彼は、顔に出さない・・・。
それまで経理は会長である私の父が担当してましたが、非常に大雑把な人で、また楽観的な性格だったこともあり、私が行っている販売方法の問題点を把握できていませんでした。むしろ、もっとやろう!という勢い。
ある時、私がイベントカレンダーを作っていると、副社長がのそっと後ろから、
「なんで割引するの?値引きはだめ。」
「え? 割引かないと売れないよ!」
「商品力に自信あるんでしょ?」
「もちろん、あるよ!」
「だったら、売り方変えないと!」
「え~、そんな・・・もっと割引きたいくらいなのに」
「あと、社長の給料も下げないと」
「え?」
まあ、その後は強烈な父と私VS副社長で、かなりのバトルを長期間にわたり繰り広げましたが、彼の確固たる意見と、古いスタッフで超理系のさつきにも理屈の通った説得をされ、徐々に過剰なイベントでお客様を集める方法をやめ、
空いた時間で少しずつページを直し、だんだん落ちついていろんなことを考えられるようになっていきました。また、セールで削られてしまっていた分の利益で新製品の開発にも力を注げるように。
驚くことに、バンバンセールを行ってオレンジ店(月商1000万を超える店舗を楽天ではそう呼びます)だったころと、売上が文字通り半分になった時の利益金額が半分になった時のほうが、利益が多い月も・・・!
とはいえ、売上は上がらず低空飛行のままではありましたが、それ以上下がることなく、レビューも辛らつな批判はなくなりました。
でも、売上はそう簡単には戻らないし、今も戻ってはいません。ライバル店舗もすごく増えましたし。
ただ、新規のお客様が増えたのは、少しはお店が分かりやすくなったのかな~とは嬉しく思っています。
売上売上と、連呼されると嫌な気分になる方もいらっしゃるとは思いますが、従業員の給料も、新しい試みも、新製品を探すのも、すべて売上から得た利益で行うので、販売店にとって売上はとても重要なのです。持続可能な状態にするには、利益の確保はとても大切。
そんなことも、副社長にあちこち連れていかれ、いろんな人に叱られようやく分かってきたという、経営など学んだことのない私はほんとに未熟でしたよね。
そんなことをしているうちに、最愛の父が、がんで・・・亡くなりました。この前まで元気だったのに、呼吸が苦しくなったと入院して3週間後のことでした。
発送センターができ、取引先の方々にお披露目パーティーを行った際に、みんなの前で会長としてスピーチをしたのが多分最後の仕事だったように思います。
父が大好きだったし、いつも私を守ってくれた父。本当に立ち直れるのか分からないほど悲しく、途方に暮れ不安に打ちのめされていました。でも・・・生命力ってすごいですよね。
これが私に自立をするきっかけとなったのです。
もう、父に甘えた経営はできない。離婚もしているし子どもたちも大学までやりたい。家も手放したくない・・・!
この後は、副社長とさらに改革を進めるにはどうしたら良いのか、とにかく考えていきました。が、長年やってきたことを変えるのもそれなりに困難な道。
と、話は売上の話に戻りますが、売上とは、いかにお客様に私たちが受け入れられているのか、美ナチュラルがどのくらい役に立っているのかという指標でもあります。
それが下がると、ものすごく寂しい気持ちになるんですよね・・・。
そんな、売上低下に苦しみながら、なんとか構造改革を進め、何となく上昇気流に乗ってきたと思っていたある月、いきなり売り上げが30%もダウン!
その後も、全然お客様がご来店くださいません・・・特に新規のお客様が全くといっていいほど来ない~~~!
ま・ず・い~~~~!!!
前回の売上半分には、理由が明確で、焦りはしましたが何とか対処方法を探ることができました。でも、今回は原因が分からないのです。焦るどころの話ではありません!
しばらくしてようやく分かったのは、どうやら楽天市場のサーチのアルゴリズムが、天と地ほどに変わったから。でした。
美ナチュラルは製品を厳選してますから、それぞれの商品のレビュー評価が高いのが特徴でした。当時の検索で上位に出るには、レビュー評価が高いと高得点を獲得でき、有利だったのです。
それを、ある日を境にレビュー評価はほとんど計算に入れない、その代わりその時その時に売れている商品が上位に表示されるようになったのです。
以前のようにセール、セールでガンガン売っていたら上位をキープできてたかもしれませんが、落ち着いた販売に変更していた美ナチュラルには、相当ダメージのある施策。怒りを感じましたが、楽天市場の強引さには負けるしかない・・・
ああ、ネットショップは、諸行無常・・・。
結局その年は、大赤字を出してしまい、翌年から私と副社長の給料を半分にというさらなる大ナタを振るわざるを得ず、もともと大した金額ではなかった私の給与は、家のローンを払うのも無理くり、教育ローンを借りまくりという状態に。
そんな中、スタッフさんたちの給料や待遇を減らすわけにはいかないのと、世の中、有給休暇や時給のアップ、社会保険の加入など、小さい会社にはなかなか厳しい社会情勢もあり。
それまで、有給休暇制度もなかった、ザ・家族経営 だった美ナチュラルですが、家族経営のなあなあ部分を減らし、鍛えることにもつながりました。
美ナチュラルという会社は、以前カルビーの社長さんがおっしゃっていた、潰れる会社の典型タイプ、「暖かいけど、生ぬるい」そんな会社だったのです。
お客様から責められ、ショッピングモールから攻められ、スタッフたちからも責められ、徐々に鍛えられていった美ナチュラルという会社。
怒りや葛藤もありましたが、それはどれもとても大切な過程でした。
店舗運営については、新しく信頼できるコンサルとも契約をし、何とか検索を充実させたり、ページをもっと分かりやすくするにはどうしたら良いかなどを考えようやく新しいお客様も増え始めました。
楽天市場のほうでも、新規のお客様が楽天市場に流れ込むための施策を、かなりいろいろやってくれていて、新規顧客様の増大は、その効果もあったと思います。
は~、やっと少し息がつけるかも・・・と思ったのが・・・そんなはずはないのが、楽天市場。私は甘かった!