こんにちは、ミロビーナの宮崎尚子です。
今回のブログでは、「CBDの原材料である大麻草は、日本人にとって身近な植物」だということをお伝えしたいと思っています。
意外に思われる人もいるかもしれませんが、日本における大麻の歴史は大変古く、縄文時代前期の遺跡からは大麻の繊維が出土しています。人々は大麻草を栽培し、繊維を取るだけではなく、薬や食べ物としても利用してきました。
第2次世界大戦後、ほどなくして大麻取締法が制定され、以来「違法薬物」「危険なもの」というイメージが定着してしまいましたが、本来、日本人にとって大麻草は生活に欠かせない身近な植物だったのです。
次第に失われつつありますが、現在も私たちの生活の中で、日本人と大麻との歴史、その名残を見つけることができます。「布」「神道・仏教」「文様」「食べ物」の4つの視点でご紹介します。
1.布
弥生時代の遺跡である静岡県の登呂遺跡や佐賀県の吉野ヶ里遺跡では、大麻で作られた布が出土しています。
江戸時代中期に木綿が普及するまでは、さまざまな植物で布が作られてきましたが、庶民の衣服は大麻布がほとんどでした。
明治から昭和の間も、農村部を中心に、大麻草の栽培・収穫から糸を紡ぎ、布を織るまでの作業を女性たちが担っていましたが、安価な大量生産の布が普及したため、その習慣は昭和50年代にほぼ消滅してしまったそうです。
博物館で古い布を見かけたら、それは大麻布かもしれませんね。
2.神道・仏教
大麻草を精製した繊維「精麻」は、古くからお清めのために用いられていて、現在も多くの神社でお祓いやお清めの道具に使われています。神社のお祓いで神職の人が左右に振る祓串には「精麻」が結びつけられていますし、しめ縄や鈴縄の材料にもなっています。
それから、大相撲の横綱だけがつけることを許される「横綱」も、大麻草から作られています。
仏教においても、大麻布が仏像の材料に使われるなど、さまざまな形で利用されてきましたが、一番身近なものといえば、お盆の迎え火や送り火、なすやきゅうりでつくる飾り「精霊馬」に使う「オガラ」ではないでしょうか。
スーパーやホームセンターで売っているあのオガラは大麻草の茎です。「スーパーで大麻」と聞くと、なぜかちょっとドキドキしてしまいますが。
3.文様
日本古来の文様の中でも、よく知られた柄の中に「麻の葉」があります。鎌倉時代にこの柄はすでに生まれていましたが、大麻の葉に似ていることから「麻の葉」と名付けられたのは江戸時代に入ってからです。麻の葉文様には魔除けや厄除けの意味があり、赤ちゃんの成長を願って、産着の柄として昔から親しまれてきました。
2019年ラグビーワールドカップで話題をさらった日本代表のユニフォーム、そして大人気コミック「鬼滅の刃」で主人公の妹・禰豆子が着ている着物の柄としても有名ですね。
4.食べ物
直径約5mmの大きさで、硬い殻に覆われている大麻の種子。日本では「麻の実」と呼ばれ、昔から食べられてきました。どのくらい昔かというと、千葉の沖ノ島遺跡からは約一万年前の「麻の実」が出土しています。
各地の郷土料理に使われてきた「麻の実」ですが、私たちにとって一番身近な「麻の実」の入った食べ物は七味唐辛子です。七味唐辛子を構成する素材は、唐辛子以外特に決められていませんが、多くの七味唐辛子に「麻の実」が入っています。
「危険なもの」というイメージが一般的ですが、実は大麻草って私たち日本人にとって、ずっと昔から身近な存在だったんですね。ちなみに大麻取締法で規制されているのは「茎と種子以外」の部分ですので、安心してオゲラや七味唐辛子を買ってください。
<参考資料>
=書籍=
「お医者さんがする大麻とCBDの話」正高佑志 著(彩図社)
「CBDのすべて」アイリーン・コニェツニー ローレン・ウィルソン著 三木直子 訳(晶文社)