こんにちは! (有)美ナチュラル、ミロビーナの木川です。
前回は、アロマテラピーって、本当はどんなもの?ということで、お話をさせていただきました。今日は、その続きです。
さて、最近のスキンケア化粧品で、植物成分が含まれていないということは、まず見かけないですよね。以前と比べ、植物の持つ力や効果が認められてきているということなのだと思います。
「シトラスの香り」や、「ローズの香り」といった、植物の香りを謳った製品もたくさんあります。それを見ても、人は、自然の香りを好むものなのだな~と思うのですが・・・
でも実は、本物の植物の香りであることは、非常に少ないということは、ご存知でしたでしょうか?
つまり本当は「シトラス風の香り」とか、「ローズ風の香り」と書くのが正確なはずなのです。
今日は、そんな混同しやすい例を挙げながら、アロマテラピーや、香りについての理解を深めていただけたらと思います。
前回、アロマテラピーに使われるエッセンシャルオイルの、香り成分は、それ自体に薬理効果があるというお話をしました。
逆に合成の香りには、お肌を良くするような働きや、心や体を健康に導く作用も全くありません。
化粧品に、香りをつける理由はいくつかありますが、意外と知られていないのが、原料の香りを隠すためというのがあります。
ナチュラル原料でも、合成原料でも、化粧品として使うには香りが良くないものも、中にあります。
そういう原料をマスキングするために、香料が使われるのです。
ただ、エッセンシャルオイルの場合は、その香りのエッセンス自体に人体やお肌に対する効果がありますので、普通はその目的に合ったエッセンシャルオイルを配合します。
ただ、大量生産をしているものの場合良くあるのが、香りを均一にする工程を行っているということです。
エッセンシャルオイルや、植物原料の香りやテクスチャーは、その時の天候や産地、製造過程での気温や湿度などによって、かなり変わってしまいます。
それが、自然の良さでもあるのですが、一般的に香りがいつもと違うということは、使う方からしてみると、品質に問題があるように感じられてしまいがちです。
例えば、古い製品だから匂いが変わってしまったのでは?と疑いを持ったり、いつもの心地よい香りと違うのは嫌だとか、いろんなことを考えてしまうのです。
そうしたクレームが頻発すると、メーカーとしては対応にコストをかけなくてはなりません。自然のままを大切にしようとすると、作れば作るほど、クレームの数は増え、そのコストは上がっていきます。
特に日本人は繊細な感覚を持っているため、少しの違いも許せないと思う人も他国に比べると多く、
ミロビーナでも、これまで長い間ナチュラル製品を販売してきましたが、最近はかなり減りましたが、以前は本当にそうしたお問い合わせやクレームが多かったです。
香りがいつもと違うというのはよくありましたが、他にも、
「クリームの色がいつもと違って黄色っぽい、白っぽい」
「夏に買った時よりも、硬い、柔らかい」
というのは多かったですね。自然のものですから、当たり前なのですが均一製品に慣れていると、驚いてしまうのです。
特に、日本の大手化粧品メーカーというのは、本当~~~に優秀です!
1万個作っても、どれも同じ色、同じテクスチャー、同じ香りに仕上げることができるのです。私も、簡単に言っていますが、それって本当に大変なことなのです。
特に、自然原料を使えば使うほど、神業的に難しくなります。
ちなみに、ラベルを貼る位置なども、1mmのズレがあってもいけないのですが、それもばっちりクリア。そこまでのち密さは、日本製品ならではですが、
私は、正直そこまでの均一さは、お肌をきれいにするのが化粧品だと思うので、そこにエネルギーを使う必要はあるのかなという疑問もあります。
と、少し話がそれましたが、100%ナチュラルな原料だけで、香りを均一にすることは非常に難しいため、よくあるのは、香り成分は人工香料を使うこと。
これでしたら、差が出ることはありませんので、最も低コストで作ることができます。
もう一つは、先ほども申し上げた、ナチュラルだけれども、香り成分は調整しているタイプ。
大量生産のためには、個体差のあるエッセンシャルオイルをそのままブレンドするのではなく、香りの調整成分を加え、整えていることがよくあります。
エッセンシャルオイル自体は、様々な香り成分が最低でも100種類、多くて300種類(ローズと月桃が多くて有名です)以上含まれているのですが、主にそのエッセンシャルオイルの香りとして特徴的な香り成分を抽出して配合することで、香りの偏りを補っているのです。
例えば、「これって、ローズよね!」と、感じるローズっぽい香りを持つ成分は、ゲラニオールといいます。
「ああ、これってペパーミント香りでしょ?」と、感じさせるのは、メントール。
ラベンダーは、ラバンデュロール、柑橘の香りを感じさせてくれるのは、リモネン。
こうした香り成分を、植物から抽出してる場合は、ナチュラル原料とされますので、100%ナチュラルといっても良いのです。
ただ、その場合はそのエッセンシャルオイルの効能は、相当低くなっていると考えられます。
先ほど、アロマテラピーに使う、エッセンシャルオイルに含まれている、香り成分は最低でも100種類と書きましたね。
実は、その100種類すべてを分析することは、今の技術ではできません。また、最低でも100種類ある香り成分たちが、それぞれに影響しあって、相乗効果を生んだり、逆に毒性のある成分の毒性を消したりしているのです。
その宇宙的レベルの世界を解き明かすことはできないだろう、といわれています。
つまり、何を言いたいのかというと、エッセンシャルオイル自体は、何も引かない状態、純粋な(ピュアな)状態で使うのが最も効果的だということなのです。
代表的な成分だけを足しても、香りの調整はできますが、効果が追加されることはあまり期待できず、あくまで香りの調整ということだけになります。
私のこれまでの経験上、香りを調整している製品は、香りが浅く、何かだまされているような嫌な感覚がします。おそらく、自動的に自然物ではないと、感じてしまっているのだと思います。
最近は、柔軟剤の香りをまとった人が隣にいるだけで、アレルギー症状が出たり、臭くてたまらず困っている人などの問題が徐々にクローズアップされるようになりました。
そのことに気を使うことは、とても良いことだし、大切なことだと思います。
私も、洗濯物の香料が本当に苦手です。
香料といっても、完全に人工的な化学物質。
これまでの人類の歴史にはなかった物質で、私のDNAは危険と判断しているため、遠ざけさせようとしていると感じます。
こうした人工的な香料に、長時間、暴露され続けるとアレルギーを引き起こす可能性が高くなり、危険性があることもあまり知られていません。
人工的な香りの良くないところは、香りの濃度。
エッセンシャルオイルの香りは、揮発性のもので、長持ちがしません。もし、長持ちさせたいと思ったら、濃度を、すごく高くすれば良いのですが・・・
でも、想像するとすぐに分かると思いますが、どんなに自然のエッセンシャルオイルの香りだとしても、ものすごく濃厚な香りを長時間かがされると、気が遠くなってしまいますよね。
そのくらい香りというのは、私たちの快不快に大きな影響を与えるものでして、濃厚な香りは、脳を疲れさせてしまい、体は嫌がるのです。強すぎる香りに暴露され過ぎると、たとえ、ナチュラルなエッセンシャルオイルだとしても、健康を損なうこともあるほどで、自分が纏う香りには、気を使わなくてならないと思います。
エッセンシャルオイルは、生理作用に働きかける薬理効果もありますから、過ぎたるは猶及ばざるが如しということわざ通り、使い過ぎは逆効果にもなってしまいます。
と、少し遠回りになりましたが、洗濯用洗剤や柔軟剤の香りが、何日でも続くということは、実は大量の香料を配合しているからなのです。
これって実はとても怖いこと。
強すぎる香りが、頭痛や吐き気を誘発し、脳へ余計な刺激を与え続けるだけでなく、大量の化学物質が、ずうっと、身の回りに漂い続けているからです。
他人だけでなく、自分の体にも良くない事だったのです。
繰り返しますが、人工香料=人工的な化学成分。
100%安全性が確立しているわけでもなく、使い続けることでアレルギーを引き起こす危険性もあり、大変便利ではありますが、使い方には気を付けなくてはならないのが、人工香料なのです。
香りのエチケット、これだけ人工的な香料が溢れている今、自分の好きな香りが人工的な香料の場合、極力気を付ける必要があると思います。
最後に、「シトラスの香り」とか、「ローズの香り」などとうたっているケミカル製品に含まれている香料は、いくつくらいの香り成分でできているかご存知でしょうか?
ローズのエッセンシャルオイルには、約300種類の天然の香り成分が含まれていますが、人工的なローズには香りは、比較的成分数が多いとされていますが、それでもなんとたったの6種類程度!
これでは、エッセンシャルオイルと比べ、合成の香りを嗅いだ時に「これ、なんか変?」と、気持ち悪さを感じてしまうのは、当たり前といえば、当たり前ですよね。
今は、人工的な香料が私は苦手と言っていますが、アロマテラピーを始めてから、なぜかそうなりました。子供のころとか、イチゴの香りとかいろいろ大好きだったのに(笑)
自然の香りに多く親しむようになって、それまでの香りが危ないものだったと、体が気付いたのかもしれません。
これを読んでくださったあなた様も、どうぞ、これからは極力自然の香りに触れるよう、気つけていただけたらなと思います。
一日中残る、柔軟剤や、洗濯洗剤を使うのも、これを機会に変えてほしい。
おっと、ついつい熱が入ってしまい、こんなに長くなってしまいました。次回もまた、アロマテラピーについてのお話をしたいと思います。
今日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ではまた。